忘れない英単語の覚え方と辞書
コピー・ペーストで簡単に英単語の意味が調べられる時代ですが、辞書を使ってノートに書く作業は、英語上達に欠かせないステップです。
辞書は単語の意味だけではなく、発音記号やその単語が含まれる熟語、そして例文や用法なd多くの情報が含まれています。
特に重要でよく使う単語は、そのような例文や説明の掲載枠もとても大きく、読んでいるだけで勉強になります。
例えば、It went better than I thought. (思ったよりうまく行ったよ)という英文が英基礎.comの中で使われています。
単語6つから成る短いこの英文に、たくさんの学ぶべき事が含まれています。少し詳しく見てみましょう。
中学英語をしっかり勉強してきた人は、文章を見ただけで下の3つのことを学べばよいと分かります。
- It went better than I thought.
- 過去形の文
- 比較級の文
- 熟語の文
しかし忘れてしまった人などはいったい何が書かれているかすらわかりません。
その場合は、辞書で単語を引くことで学ぶ事ができます。この英文を辞書から学ぶには、下のように考えます。
- It went better than I thought.
- It: 「それ」という意味の代名詞、主語・三人称単数
- went: go(行く)の過去形、熟語go wellで「うまく行く」という意味
- better: well(良い)の比較級、better thanで「~よりも良い」という意味
- thought: think(考える)の過去形、I think~で「私は~と思う」という意味
辞書を引くと、これだけの情報を引き出すことができます。
ここまで来たら、It went betterという文がIt goes wellの比較級の過去形であることに気づきます。
go wellと熟語が重なりますが、better thanを調べてみても、「~よりも良い」という意味がありますから、It went better thanで「~よりもうまく行った」という意味が分かります。
あとは最後のI thought(私が思った)をくっつければ、「思ったよりうまく行った」というひとつの文章を訳すことができ、辞書から「過去形・比較級・熟語」を学ぶ事ができるのです。
ここで初めて動詞を過去形にするルールや、比較級の作り方などを英基礎.comや参考書で英文法を詳しく理解することができるようになります。
単なる暗記はいずれ忘れてしまいますが、このようにして覚えた単語や英作文の基礎は、後になっても忘れません。
一度引いたことのある単語のそばに、何か印でもつけましょう。小さな黒丸でも点でも良いです。引くたびに点をつけていくと、いずれ周囲がまっくろになってきます。「あぁ、まだ理解していないのか!」と自己反省したり、「あ、あの時のだな」と思い出す事もできます。辞書に書き込みなどをした方が単語もよく覚えます。
そしてある日映画を見ているときに、
"How did it go?"
"It went well."
なんて会話が聞こえてくると、「あ、go wellの熟語だ、疑問詞howと過去形のdidの質問だ!didの後は確かに動詞の原型だ!didで聞かれたから現在形のIt goes wellじゃなくて過去形で答えてるんだな」などと思い出し、頭に焼き付くのです。
日常会話程度の英語を学ぶには、あまり難しい辞書は適しません。中学生用で掲載用語数も少な目で、字の大きな辞書が最高です。
一つの文を調べるのに大変時間のかかる勉強方法ですが、丁寧に学ぶ癖をつけましょう。暗記した10の例文よりも、じっくり辞書を引いて理解した1つの例文の方が、実践で使える英語として記憶に残ります。
そして学んだ文章を頭の中で思い出しましょう。いつもの考え事を英語で考えてみて下さい。明日の予定、今夜の晩ご飯、全て英語で考えるクセをつけるのです。
日常の考え事自体を英語で考える癖をつけ、英語を聞き、英語を話す努力を続けると、いずれ英語の夢を見るようになります。そしてあなたの寝言も英語になります。そのくらいになると、日常英会話はペラペラになっていますよ!